「サエさん……」
「うん?どうした。ダ、ビ………」

笑顔で振り返ろうとして、そのまま凍りつく。
背後には、どよん…と暗雲を背負い込んだ天根が立ち竦んでいた。

「ど、どうしたんだい?ダビデ」
僅かに身体を反らしながらも、何とか笑顔で応答してみせる。
多少笑顔が引き攣っていたのは、ご愛嬌だ。

「……バネさん…………」
「え?」

ぽつりと呟いた言葉が小さすぎて、思わず聞き返す。
次の瞬間、律儀に聞き返したことを後悔したが。


「バネさんのツッコミが恋しい………」



「………………は?」



え?今、何て言ったのこいつ。
バネ?え?
ツッコミ?恋しいって?


「……………………」


がっし。

「サエさん、どこ行くの?」
「……いや、ちょっと激しい眩暈と頭痛に襲われてね。」
「そう…大丈夫?」
「うん、大丈夫大丈夫。だから、ちょっとこの手離してくれるかい?」
「ダメ」

きっぱりと拒否されて、流石に途方に暮れてしまう。

「……あのね、ダビデ。俺にも練習があるんだけど」
「今、休憩中でしょ?不二さんに聞いた」

(余計なことを…!)

反射的に幼馴染の方を見れば、こちらに向けて笑顔で手を振っていた。
相変わらず、性格の悪い男である。


「サエさん…」


「う……」

捨て犬のような目でじぃっと見られると、何だかこちらが悪いような気になってくる。
いやいや、ちょっと待て佐伯虎次郎。
どう考えても、こっちに非は無い。
おかしいのは、合宿中に妙な事を言い出した天根であって――――――

「サエさん…………」
「…………」
「………………」
「…………………………」


ああ、もう!


「…何かあったのかい?」

途端に、輝く瞳。
しっかりと聞いてしまった自分が憎い。
だがまあ、仕方の無いことだと言えるだろう。
昔から、六角メンバーはこの天根のおねだりモードに弱いのだ。

諦めよう……。


溜め息を押し殺し、佐伯は小さく苦笑した。










アニメオリジナルの選抜編を見て。
…………すいません。
ちょっと語っていいですか?

ダビデ可愛いいいぃぃぃぃッ!!
ちょ、駄洒落言って神城に無視られてる辺りとか、本気でツボったんですけど!?
これは絶対ツッコミ欠乏症が出たと思うんですよ!
それで絶対バネさんに逢いたくなったり、あの蹴り(ツッコミ)が恋しくなったりすると思うんですよ!!
(忍足がツッコんでくれた時めっさ嬉しそうだったし!)
それで、わざわざ別チームのサエさんとこに愚痴りに行ってたりしたら……可愛くないですか?

………という妄想から生まれたブツ。
本当、ウザい後書きですいません。



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