――――ずっと、一緒にいられると思ってた。
あの人が卒業しても、高等部の校舎は直ぐ隣にあったし、一年我慢すれば、また同じコートに立つことも出来るし。
ほんのちょっと、《先輩・後輩》っていう括りが無くなるだけ。
オレが高校に上がれば、また勝負をして。
でも、きっとまだまだオレは勝てなくて。
「十年早い」って部長が笑って、
「せめて、今の3割は筋力を増やせ」って柳先輩に呆れられて、
「まだまだじゃの」って仁王先輩が冷やかして、
「たるんどる!」
そう、あの人が怒る。
もっと、もっと、いっぱい喋って、
もっと、もっと、あの人を知って。
そしてその度に、もっと、もっと好きになる。
そんな未来を、疑ったことなんてなかった。
明日も、明後日も、ずっとオレたちは同じようにコートを走ってるんだ、って。
そう、馬鹿みたいに信じてたんだ―――――……