ずっと、隣にいるんだと思ってた。
昔から、アイツは俺の後ろをひよこのようにちょこまかとついて来て、小学校、中学……高校に上がった当時も、それは変わらなかった。
無表情なくせに、何故か俺にはアイツが何を考えてるのかが手に取るようにわかって。
つまんねー駄洒落を言うたびに蹴り飛ばしても、何でかやけに楽しそうだったのも覚えてる。(マゾか、あいつは!)
俺たちは、ずっと一緒なんだと思ってた。
離れることなんて、考えてもいなかった。
――――あいつがいなくなったあの日、俺の中で、何かが音を立てて崩れていった。